DID地区の調べ方|国土地理院とDIPSでの確認手順【2026年版】
ドローン飛行前に必須のDID地区(人口集中地区)の調べ方を、国土地理院の地理院地図とDIPSの地図機能を使った具体的な手順で解説します。都市部の大半が該当する理由、該当した場合に必要な許可・承認の申請方法まで、公式出典付きで詳しくまとめました。
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ドローンを飛ばす前に「ここはDID地区に該当するのか」を確認せずに飛行してしまうと、知らないうちに航空法違反になっている可能性があります。DID地区(人口集中地区)は都市部の大半をカバーしており、自分の感覚だけで「田舎だから大丈夫」と判断するのは危険です。この記事では、DID地区の意味と、国土地理院の地図・DIPSの地図機能を使った具体的な調べ方の手順を解説します。
DID地区(人口集中地区)とは
DIDは「Densely Inhabited District(人口集中地区)」の略で、国勢調査の結果に基づき総務省統計局が指定する、人口密度が高い区域のことです。市区町村といった行政区分とは異なり、人口密度・人口規模の基準で機械的に線引きされます(出典: 総務省統計局「人口集中地区とは」, 参照日: 2026-09-01)。
国土交通省は、このDID地区の上空を「無人航空機の飛行にあたって国土交通大臣の許可・承認が必要になる区域」の一つとして扱っています(出典: 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続き」, 参照日: 2026-09-01)。つまりDID地区かどうかは、行政の「都市」「田舎」という印象ではなく、地図で機械的に確認するものだと理解しておく必要があります。
DID地区は「人口が多い市区町村全体」ではありません。同じ市区町村の中でも、DID地区に該当するエリアと該当しないエリアが混在します。番地レベルでの地図確認が必須です。
なぜ都市部の大半が該当するのか
DID地区は、隣接する国勢調査の基本単位区(原則として人口密度4,000人/km²以上の地域が連続するエリア)が合算されて指定されます。このため、都道府県庁所在地や政令指定都市の市街地はもちろん、人口が集中している地方都市の中心部・郊外の住宅密集地・ベッドタウンの多くも該当します(出典: 総務省統計局「人口集中地区とは」, 参照日: 2026-09-01)。
逆に言えば、公園や河川敷、住宅地から少し離れた農地・山林などはDID地区に該当しないケースが多いですが、これも地域差が大きく、「郊外だから該当しない」と決めつけることはできません。必ず個別に地図で確認してください。
DID地区の調べ方: 2つの方法
DID地区に該当するかどうかを確認する方法は、主に次の2つです。どちらも無料で利用できます。100g未満ドローンの規制も同時に確認しておくと、機体重量とあわせて必要な手続きが把握しやすくなります。
方法1: 国土地理院「地理院地図」で確認する
- 国土地理院の地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)にアクセスする
- 検索窓に飛行させたい場所の住所、または地名を入力する
- 画面左上の「地図」メニューから「人口集中地区」レイヤーを選択して表示する
- 該当エリアが色付きで表示されるので、確認したい地点がその範囲内に入っているかを確認する
地理院地図は最新の国勢調査結果に基づくDID地区の境界線を、地図上に重ねて表示できます。国が公開する一次情報のため、最も信頼できる確認手段の一つです。
方法2: DIPS(ドローン情報基盤システム)の地図機能で確認する
- DIPS2.0(https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/)にログイン、または飛行許可申請の画面に進む
- 「飛行許可・承認手続き」の申請フローの中で、飛行エリアを地図上で指定する
- 指定したエリアがDID地区・空港周辺・緊急用務空域などの規制区域に該当する場合、システムが自動的に警告を表示する
- 該当する場合は、そのまま許可・承認の申請に進める
DIPSの地図機能は、DID地区だけでなく空港周辺の進入表面等・緊急用務空域といった他の飛行制限区域も同時に確認できるのが利点です。実際に許可申請まで行う予定がある場合は、こちらを使うと二度手間になりません。
地図で確認する際の注意点
- 検索窓に入力する住所は、飛行させたいピンポイントの地点にする。町丁目単位では境界付近の判定を誤ることがある
- 地図の縮尺を十分に拡大してから確認する。縮小表示のままだと、境界線の位置が把握しづらい
- 私有地・河川・道路の上空を飛行させる場合は、DID地区の該当有無とは別に、土地管理者や河川管理者の許可が必要になる場合がある
- スマートフォンの地図アプリで代用せず、国土地理院またはDIPSの公式ツールで確認する
迷ったときは、地理院地図で目視確認 → 該当・境界付近ならDIPSで申請前提の確認、という順番で使い分けると効率的です。境界線ぎりぎりの場所は、地図の縮尺によって見え方が変わることがあるため、拡大して確認してください。
DID地区に該当した場合に必要な手続き
飛行させたい場所がDID地区に該当する場合、その上空での飛行は「特定飛行」に区分され、原則として国土交通大臣の許可・承認が必要です(出典: 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続き」, 参照日: 2026-09-01)。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 該当しない場合 | DID地区を理由とした許可・承認は不要(他の特定飛行の要件には別途注意) |
| 該当する場合 | DIPSから飛行許可・承認の申請が必要。書類に不備がなければ数開庁日〜10開庁日程度で処理されるケースが多いとされる |
| 機体登録 | DID地区の該当有無にかかわらず、100g以上の機体は別途、機体登録とリモートIDの対応が必要 |
DID地区の許可・承認と、機体登録・リモートIDは別の手続きです。DID地区に該当しないからといって機体登録が不要になるわけではありません。機体登録・リモートIDの手順は、ドローン機体登録とリモートIDのやり方|重量別ガイド で重量区分ごとに整理しています。リモートID機能の設定も併せて確認することもおすすめします。
DID地区以外にも、夜間飛行・目視外飛行・人や物件から30m未満の飛行・催し物上空の飛行などは、DID地区の該当有無とは独立して許可・承認が必要になる場合があります。飛行計画全体を確認したい場合は、上記の機体登録ガイドも合わせて確認してください。
機体登録・リモートIDも合わせて確認
DID地区の許可・承認とあわせて、機体登録とリモートIDの対応状況も確認しておくと申請がスムーズです。
※価格・在庫状況は変動します。購入前にご確認ください。
DIPSでの許可・承認申請そのものは自分で行えますが、業務で頻繁に特定飛行を行う場合や、申請の実務に不安がある場合は、国家資格(無人航空機操縦士)を取得しておくと一部の手続きが簡略化されるケースがあります。資格スクールの比較は 国家資格ドローンスクールの選び方比較ガイド にまとめています。申請の具体的な流れはDIPSでの具体的な申請手順を詳しく解説しています。
DID地区に該当しやすいエリアの例
地図で確認する前のイメージ作りとして、DID地区に該当しやすい場所・該当しにくい場所の傾向を整理します。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、最終判断は必ず地図で確認してください。
- 都道府県庁所在地・政令指定都市の市街地(住宅地・商業地の大半が該当することが多い)
- 地方都市の駅周辺・中心市街地(人口密度が高ければ地方でも該当する)
- 大規模な住宅団地・ベッドタウン(郊外でも人口密度が基準を満たせば該当する)
- 河川敷・農地・山林(周辺に住宅密集地がなければ該当しないことが多いが、都市近郊では該当する場合もある)
- 海岸・港湾エリア(工業地帯や住宅が少なければ該当しないことが多いが、臨海の住宅地は該当する場合がある)
上記はあくまで一般的な傾向です。同じ「郊外」「地方都市」でも、国勢調査の結果次第でDID地区の該当有無は変わります。飛行のたびに、必ず地理院地図またはDIPSで個別確認してください。
DIPSでの許可・承認申請の流れ(DID地区に該当した場合)
地図でDID地区に該当することが分かったら、次はDIPSから飛行許可・承認を申請します。おおまかな流れは次のとおりです。
- DIPS2.0にログインする(アカウントがない場合は先にアカウント登録が必要)
- 「新規申請」から「飛行許可・承認申請」を選択する
- 飛行日時・飛行目的・飛行させる機体(登録記号)・操縦者情報を入力する
- 地図上で飛行させるエリアを指定する(この時点でDID地区該当の警告が表示される)
- 安全対策(補助者の配置、第三者上空を飛行させない措置など)の内容を入力する
- 申請内容を確認し、提出する
申請から許可・承認までの処理期間は、書類に不備がなければ数開庁日〜10開庁日程度とされるケースが多いですが、申請内容や時期によって前後します(出典: 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続き」, 参照日: 2026-09-01)。余裕を持って、飛行予定日の2週間以上前を目安に申請することをおすすめします。
包括申請(複数の飛行を1回の申請でまとめて許可・承認を得る方式)を使えば、同じエリアで繰り返し飛行する場合の手続きを簡略化できます。頻繁にDID地区で飛行する予定がある場合は、包括申請の利用も検討してください。
DID地区の確認が必要になるタイミング
DID地区の確認は、飛行前に一度やれば終わりというものではありません。次のようなタイミングでは、あらためて確認することをおすすめします。
- 新しい飛行場所を検討するとき(毎回、その場所固有の確認が必要)
- 国勢調査の結果が新たに公表・反映されたとき(DID地区の指定範囲が更新される可能性がある)
- 以前に確認した場所で、周辺の宅地開発が進んだと感じるとき(次回の指定更新で該当する可能性がある)
- 定期的に同じ場所で飛行させる業務用途の場合(年に一度は最新の地図で再確認する)
確認時によくある勘違い
DID地区の調べ方でつまずきやすいポイント
メリット
- 地理院地図・DIPSはどちらも無料で、住所検索から数分で該当有無を確認できる
- 境界線付近でも地図を拡大すれば、番地レベルの精度で判定できる
- DID地区に該当しても、許可・承認を得れば飛行自体は可能
デメリット
- 「田舎だから大丈夫」という感覚的な判断はDID地区の実態と一致しないことが多い
- DID地区の指定は国勢調査のたびに更新されるため、以前確認した情報が古くなっている場合がある
- DID地区の該当有無と機体登録・リモートIDの要否は別の判定基準であり、どちらか一方だけ確認しても不十分
まとめ: 飛ばす前に確認する3ステップ
- 地理院地図で該当有無を確認する — 住所を検索し、「人口集中地区」レイヤーを表示して目視確認します
- 境界付近・該当する場合はDIPSでも確認する — 許可・承認の申請が必要になるかどうかを、実際の申請画面の地図機能でも確認します
- 該当する場合はDIPSから許可・承認を申請する — 数開庁日〜10開庁日程度の処理期間を見込み、飛行予定日から余裕を持って申請します
本記事の判定は目安であり、法的判断ではありません。 実際の飛行にあたっては、国土交通省・DIPS(ドローン情報基盤システム)・総務省の最新の公式情報を必ず確認してください。制度は改正される場合があります(本記事は2026-09-01時点の情報です)。