ドローンのリモートIDは必要か|設定方法を解説【2026年版】
ドローンのリモートIDが自分の機体に必要かどうかを、2022年6月20日の義務化以降の登録区分ごとに整理します。内蔵型・外付け型それぞれの設定方法、特定区域内飛行など免除されるケース、未搭載のまま飛行した場合のリスクまで、国土交通省の公表資料をもとに解説します。
PR本記事はアフィリエイトプログラム(Amazonアソシエイト)を利用しています。
「機体登録は済ませたけど、リモートIDって自分の機体にも必要なの?」「内蔵型と外付け型、どちらを選べばいいのかわからない」——ドローンを飛ばし始める人の多くが、機体登録の次にこの疑問にぶつかります。この記事では、リモートIDの制度が始まった経緯と、自分の機体に必要かどうかの判定基準、内蔵型・外付け型それぞれの設定方法、免除されるケースまでを整理します。
機体登録そのものの手順や重量区分ごとの規制については、ドローン機体登録とリモートIDのやり方|重量別ガイド で横断的にまとめています。あわせて確認してください。
リモートIDとは何か
リモートID(Remote ID)は、飛行中の無人航空機が自分の識別情報を無線で発信する仕組みです。発信される情報には、機体の登録記号・製造番号・位置(緯度経度)・高度・速度・飛行開始位置などが含まれます(出典: 国土交通省「無人航空機の登録制度について」, 参照日: 2026-09-01)。
自動車のナンバープレートに近い役割を持つ制度と考えると理解しやすくなります。上空を飛ぶ機体が「誰の・どの機体か」を第三者が確認できるようにすることで、無許可飛行や事故発生時の追跡を可能にする狙いがあります。
リモートIDが発信する情報は、専用の受信機やスマートフォンアプリを使えば第三者も確認できる設計になっています。プライバシーに配慮しつつ、飛行の透明性を確保する制度として導入されました。
義務化の経緯: 2022年6月20日から何が変わったか
リモートIDの搭載義務は、機体登録制度の開始と同時に導入されました。2022年6月20日は無人航空機の機体登録制度が施行された日であり、この日以降に新たに機体登録をする100g以上の無人航空機には、原則としてリモートIDの搭載が義務付けられています(出典: 国土交通省「無人航空機の登録制度について」, 参照日: 2026-09-01)。
一方で、2022年6月19日までに登録を済ませていた機体(事前登録機体)については、当面の間リモートIDの搭載が免除される経過措置が設けられています。ただし経過措置には期限や条件の見直しが行われる可能性があるため、所有している機体が対象かどうかは必ずDIPS(ドローン情報基盤システム)の最新情報で確認してください。
| 登録タイミング | リモートID搭載義務 |
|---|---|
| 2022年6月20日以降に新規登録 | 原則搭載義務あり |
| 2022年6月19日までに登録済み(事前登録機体) | 経過措置により当面免除(要最新確認) |
| 100g未満の機体 | 機体登録の対象外のためリモートIDも不要 |
経過措置の内容は制度改正により変更される可能性があります。「事前登録だから永久に免除される」と断定せず、飛行のたびにDIPSで最新の取り扱いを確認する習慣をつけてください。
機体登録との違い: 混同しやすい2つの手続き
「機体登録」と今回のテーマを混同してしまう人は少なくありません。両者は連動する制度ですが、目的も手続きのタイミングも異なります。
| 項目 | 機体登録 | 発信機能の搭載 |
|---|---|---|
| 目的 | 所有者情報を国に登録し、機体ごとに固有の登録記号を発行する | 飛行中に登録記号を含む識別情報を無線で発信し、第三者が確認できるようにする |
| 手続きの場所 | DIPS2.0でオンライン申請 | 機体購入時(内蔵型)または発信機の別途購入・装着(外付け型) |
| 頻度 | 3年ごとに更新が必要 | 発信機能自体の更新は不要(ファームウェア更新は別途発生しうる) |
| 未対応の場合 | 未登録のまま飛行はできない | 対象機体で未搭載のまま飛行すると罰則の対象となりうる |
つまり、機体登録は「誰の機体かを国のデータベースに記録する手続き」、発信機能は「その記録内容を飛行中にリアルタイムで周囲に知らせる仕組み」という関係にあります。どちらか一方だけを済ませても、義務化対象の機体では要件を満たしたことにはなりません。
初めて手続きをする場合は、まず機体登録を完了させて登録記号を取得し、その後に発信方式(内蔵か外付けか)を確定させる、という順序で進めると迷いにくくなります。DIPS申請の詳細手順をチェック。
内蔵型と外付け型、自分の機体はどちらに該当するか
リモートIDへの対応方法は大きく2通りに分かれます。
内蔵型(機体標準搭載)
近年発売される主要メーカーの機体は、リモートID発信機能が機体本体にあらかじめ組み込まれた「内蔵型」が主流です。内蔵型の機体は、機体登録時に登録記号を機体情報として紐づければ設定が完了し、飛行のたびに追加の操作をする必要はありません。
購入前に「リモートID内蔵」と製品ページに明記されているかを確認すると、追加の発信機を用意する手間を省けます。
外付け型(後付けの発信機)
内蔵型の機能を持たない機体では、国の型式認証を受けた外付け型のリモートID発信機を別途購入し、機体に装着する必要があります。外付け型は主に次の手順で使用します。
- 型式認証を受けた外付けリモートID発信機を購入する
- 機体登録で取得した登録記号を発信機に書き込む(メーカーが提供する専用アプリ等を使用)
- 発信機を機体に確実に固定する(飛行中の脱落は違反となる可能性がある)
- 飛行前に発信機の電源・登録記号の紐づけを毎回確認する
発信機を選ぶ際は、次のポイントを事前に確認しておくと失敗が少なくなります。
- 型式認証番号の有無: 国が定める技術基準に適合した製品にのみ付与される。認証番号が確認できない製品は避ける
- 対応機体の重量範囲: 発信機自体に自重があるため、軽量な機体では総重量が変わり規制区分をまたぐ可能性がある
- バッテリー駆動時間: 内蔵バッテリー式の発信機は、機体本体とは別に充電・残量管理が必要になる
- 固定方法との相性: マジックテープ式・ネジ止め式など機体の形状に合った固定方法かを確認する
外付け型は複数の機体を所有している場合、1台の発信機を使い回せるケースがあります。ただし発信機ごとに対応機体の重量・固定方法の制約があるため、購入前にメーカーの適合情報を確認してください。
機体購入時のカタログスペックだけでなく、実際に自分で登録画面を操作して発信方式を確認しておくと、後から「実は搭載されていなかった」という事態を避けられます。特に中古機・型落ちモデルを購入する場合は、この確認を省略しないようにしてください。
自分の機体を確認する方法
手元の機体が内蔵型か外付け型が必要な機体かは、次の方法で確認できます。
| 確認方法 | 確認できること |
|---|---|
| メーカー公式サイトの製品スペックページ | 「リモートID標準搭載」等の記載の有無 |
| 取扱説明書・製品カタログ | 発信機能の対応状況、対応するファームウェアバージョン |
| DIPS2.0の機体登録画面 | 登録時に機体情報として登録した発信方式(内蔵/外付け) |
ファームウェアのアップデートによって、購入時点では非対応でも後日リモートID機能が追加される場合があります。所有機体のメーカーからのお知らせは定期的に確認しておくとよいでしょう。
中古で購入した機体や、発売から年数が経った機体は、標準搭載に見えても発信機能自体が搭載されていないことがあります。メーカーのサポートページで型番から個別に確認してください。
海外製・並行輸入機体を使う場合の注意点
海外製の機体や並行輸入品であっても、日本国内で飛行させる以上は国内の登録制度がそのまま適用されます。加えて、無線設備が技適(技術基準適合証明)の対象となる場合は、技適マークの有無も別途確認が必要です(出典: 総務省「電波利用ホームページ」, 参照日: 2026-09-01)。
海外向けに販売されている機体は、発信の仕組みが日本の型式認証基準に適合していないことがあります。この場合は国内で流通している外付け型の発信機を別途装着することになります。「海外では使えているから日本でも問題ない」という判断は成り立たないため、購入前に日本国内での適合状況をメーカーまたは販売店に確認してください。
リモートIDが免除されるケース
すべての飛行でリモートIDが必須というわけではありません。次のような限定的なケースでは免除が認められています(出典: 国土交通省「無人航空機の登録制度について」, 参照日: 2026-09-01)。
- 特定区域内での飛行: あらかじめ国があらかじめ指定した特定区域内で、区域の管理者の管理のもとで飛行させる場合
- 警察・消防等の公的飛行: 警察・消防など公的機関が公益目的で飛行させる場合
- 十分な監視体制がある試験飛行等: 補助者の配置や区域の範囲表示など、リモートIDに代わる方法で機体を特定できる体制が整っている場合
「特定区域だから何をしても自由」ではありません。特定区域の指定自体は国土交通省が個別に行うものであり、自己判断で「ここは特定区域のはず」と扱うことはできません。免除の対象になるかどうかは、必ずDIPSまたは国土交通省の公式情報で個別に確認してください。
リモートIDを搭載しないまま飛行するとどうなるか
義務化の対象となる機体でリモートIDを搭載せずに飛行した場合、航空法上の罰則の対象となる可能性があります。機体登録の申請時にはリモートID機能の有無(内蔵型か外付け型か)を申告する必要があるため、未搭載のまま登録が完了することは想定されていません(出典: 国土交通省「無人航空機の登録制度について」, 参照日: 2026-09-01)。
すでに機体登録が済んでいても、外付け型の発信機を装着し忘れたまま飛行させてしまうケースには注意が必要です。飛行前チェックリストに発信機の動作確認を加えておくと安心です。
罰則の具体的な内容や適用条件は、違反の内容・状況によって異なります。「うっかり忘れた」ことを理由に免責されるとは限らないため、飛行前点検を習慣化し、発信機能が正常に動作していることを毎回目視で確認する運用をおすすめします。
まとめ: 自分の機体は必要か、3つのチェックポイント
ここまでの内容を、自分の機体に当てはめて判断するための手順として整理します。制度は機体の重量・登録のタイミング・発信方式という3つの軸で組み合わさっているため、どれか1つだけを確認しても正確な判断にはなりません。順番に確認していきましょう。
購入を検討している段階であれば、候補の機体が標準搭載かどうかをメーカーの製品ページで先に確認しておくと、購入後に追加の発信機を探す手間を省けます。すでに所有している機体であれば、まず登録記号の有無と発信方式の申告内容をDIPS2.0のマイページで確認するのが最も確実です。
- 機体の重量を確認する — 100g未満はそもそも機体登録・リモートIDの対象外です
- 機体登録のタイミングを確認する — 2022年6月20日以降に新規登録する場合は原則搭載義務があります。それ以前の登録済み機体は経過措置の対象になっている可能性があります
- 内蔵型か外付け型かを確認する — 機体に標準搭載されていなければ、型式認証を受けた外付け型発信機を別途用意し、登録記号との紐づけを行います
機体登録そのものの申請手順や、DID地区上空・特定飛行で必要になる許可・承認の全体像は ドローン機体登録とリモートIDのやり方|重量別ガイド で解説しています。これから機体を選ぶ段階の人はドローン購入時の選択基準ガイドも参考にしてください。
本記事の判定は目安であり、法的判断ではありません。 実際の飛行にあたっては、国土交通省・DIPS(ドローン情報基盤システム)・総務省の最新の公式情報を必ず確認してください。制度は改正される場合があります(本記事は2026-09-01時点の情報です)。