ドローン空港周辺の飛行禁止範囲|何キロ?調べ方【2026年版】

ドローンの空港周辺の飛行禁止範囲は空港ごとに異なり、新千歳・成田・羽田など主要空港で約24km、その他の空港で約6km程度が目安とされています。国土地理院地図とDIPSを使った正確な確認方法、制限区域に該当した場合の許可申請の流れまで、国土交通省の出典付きで詳しく解説します。

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「空港の近くでドローンを飛ばしたいけれど、何キロ離れていれば大丈夫なのか分からない」——そんな疑問を持つ方は多いはずです。空港周辺のドローン飛行禁止範囲は、実は全国一律の距離では決まっていません。空港ごとに滑走路の形状や便数が異なるため、制限される範囲(制限表面)も空港ごとに異なります。この記事では、主要空港とその他の空港でどの程度の目安があるのか、そして自分が飛ばしたい場所が制限区域に該当するかを正確に調べる方法を、公式情報の出典付きで解説します。


空港周辺の飛行禁止範囲が「何キロ」と言えない理由

航空法では、空港等の周辺の空域における飛行を「特定飛行」の一種として規制しています。この規制範囲は、空港ごとに設定される制限表面(水平表面・進入表面・転移表面・延長進入表面など)の形状に基づいて決まります。制限表面は滑走路の長さ・向き・進入経路によって空港ごとに異なる形をしているため、「空港から何キロ以内は禁止」という単純な円形の距離で全国一律に説明することはできません(出典: 国土交通省, 参照日: 2026-09-01)。

注意:

「空港から◯km離れていれば安全」という単純な判断は危険です。制限表面は空港ごとに形状が異なり、滑走路の延長線上の方向だけ遠くまで規制がかかっているケースもあります。必ず個別に地図で確認してください。


目安となる距離感(あくまで参考値)

制度上、正確な範囲は空港ごとの地図確認が必須ですが、飛行計画の初期段階でおおまかな目安を持っておくと調べる範囲を絞りやすくなります。

空港の区分制限表面が及ぶ範囲の目安該当する空港の例
主要空港(拠点空港など)約24km程度に及ぶ場合がある新千歳・成田・羽田・中部・関西・福岡・那覇 など
その他の空港約6km程度が目安上記以外の空港・飛行場

小規模な飛行場やヘリポートであっても、周辺には何らかの制限表面が設定されているのが一般的です。「小さい飛行場だから制限もないだろう」という思い込みは避け、必ず地図で個別に確認してください。

情報:

上記の距離はあくまで目安であり、断定的な数値ではありません。実際の制限表面は空港ごとの滑走路の向き・進入経路によって形状が異なるため、同じ「主要空港」でも方角によって範囲が変わります。必ず後述の地図で個別確認してください(出典: 国土交通省, 参照日: 2026-09-01)。


正確な範囲の調べ方: 2つの方法

目安の距離感をつかんだら、実際に飛ばしたい場所が制限区域に該当するかを地図で確認します。DID地区の確認方法と同様に、次の2つの公式ツールを使います。

どちらのツールも無料で利用でき、スマートフォン・PCの両方からアクセスできます。

方法1: 国土地理院「地理院地図」で確認する

  1. 国土地理院の地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)にアクセスする
  2. 検索窓に飛行させたい場所の住所または地名を入力する
  3. 空港周辺の制限表面に関する情報レイヤーを確認し、対象地点が範囲内かどうかを目視で確認する
  4. 縮尺を十分に拡大し、境界付近では特に慎重に確認する

方法2: DIPS(ドローン情報基盤システム)の地図機能で確認する

  1. DIPS2.0(https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/)にログイン、またはアカウントを作成する
  2. 飛行許可・承認の申請画面にある地図機能を開く
  3. 飛行させたい場所の住所または座標を入力し、空港等の周辺空域を含む飛行制限空域のレイヤーを表示する
  4. 対象地点が制限区域に該当するかどうかを確認する
ヒント:

DIPSの地図機能は、そのまま許可・承認の申請フローに接続できる点が便利です。制限区域に該当することが分かった場合、同じ画面から申請の準備に進めます。DIPSを使うにはリモートIDの事前設定が必要です


地図で確認する際の注意点

  • 検索窓には、飛行させたいピンポイントの地点の住所を入力する。町丁目単位では境界付近の判定を誤ることがある
  • 地図の縮尺を十分に拡大してから確認する。広域表示のままだと制限表面の境界線が正確に読み取れない
  • 飛行させる高度によっても規制の適用が変わる場合があるため、高度の想定も含めて確認する
  • 制限表面の外側であっても、DID地区や人口密集エリア、他の飛行禁止空域に該当する可能性は別途確認が必要
  • 地図の表示に迷った場合は、地理院地図とDIPSの両方で照らし合わせて確認すると判定の精度が上がる
  • スマートフォンでの確認は画面が小さく境界線を見落としやすいため、可能であればPCの大きな画面で確認する

制限区域に該当した場合に必要な手続き

飛行させたい場所が空港等の周辺の空域(制限表面の範囲内)に該当する場合、その空域での飛行は「特定飛行」に区分され、原則として国土交通大臣の許可・承認が必要です(出典: 国土交通省, 参照日: 2026-09-01)。手続きの主な流れは次のとおりです。

  1. DIPS2.0にログインし、飛行許可・承認の新規申請を開始する
  2. 飛行目的・日時・飛行経路・使用する機体情報を入力する
  3. 空港設置管理者との調整が必要な場合は、別途連絡・確認を行う
  4. 審査には数開庁日〜10開庁日程度を見込み、飛行予定日から余裕を持って申請する
  5. 許可・承認が下りたら、当日の飛行記録を残しておく
  6. 天候や運航状況によって当日に飛行を見合わせる場合も、事前に許可・承認を得ておけば予定変更に柔軟に対応できる
注意:

空港周辺の空域は、航空機の安全な離着陸に直結する最重要の規制対象です。許可なく制限区域内で飛行させることは重大な法令違反となり得るため、「たぶん大丈夫」という自己判断は絶対に避けてください。許可申請では機体登録とリモートIDが必須です


制限表面の種類をもう少し詳しく知る

「制限表面」とひとくくりに呼んでいますが、実際には航空法施行規則で複数の種類が定義されており、それぞれ形状も及ぶ範囲も異なります。地図上で確認する際に見かける名称を知っておくと、レイヤー表示の意味が理解しやすくなります。

制限表面の種類概要
水平表面空港を中心とした一定の高さで広がる円錐状の表面。空港の規模によって半径が異なる
進入表面滑走路の延長線上、航空機が離着陸で通過する経路に沿って設定される表面
転移表面水平表面と進入表面をつなぐ、滑走路脇に設定される斜めの表面
延長進入表面進入表面よりさらに遠方まで、滑走路の延長方向に設定される表面

進入表面・延長進入表面が設定されている方向(滑走路の延長線上)は、水平表面の半径よりもさらに遠くまで規制が及ぶことがあります。「空港の反対側だから安全」とは限らない点に注意してください(出典: 国土交通省, 参照日: 2026-09-01)。地図で確認する際は、滑走路の向きを意識しながら対象地点の方角も合わせて見ておくと理解しやすくなります。


空港以外にも確認すべき飛行制限

空港周辺の空域規制をクリアしても、それだけで自由に飛ばせるわけではありません。同じ場所で他の規制に該当していないかも合わせて確認する必要があります。

  • DID地区(人口集中地区): 都市部の大半が該当するため、空港から離れていても許可・承認が必要になるケースが多い
  • 150m以上の高さの空域: 空港周辺かどうかにかかわらず、高度150m以上での飛行は別途許可・承認の対象
  • 緊急用務空域: 災害時などに臨時で設定される飛行禁止空域。DIPSやSNSで随時公表される
  • 小型無人機等飛行禁止法に基づく対象施設周辺: 国会議事堂・首相官邸・原子力事業所などの重要施設周辺は別の法律で規制されている

空港周辺の制限区域外だからといって安心せず、必ず飛行予定地でDID地区や重要施設周辺など他の規制も個別に確認してください。複数の規制が重なって適用される場所も少なくありません。飛行計画を立てる際は、空港周辺の規制を確認したら、続けてDID地区・高度・重要施設の各項目もチェックリスト形式で潰していくことをおすすめします。


よくある勘違い

  • 「空港が見えなければ大丈夫」という誤解: 進入表面・延長進入表面は目視できる距離をはるかに超えて設定されていることがあります
  • 「小型・軽量な機体なら制限が緩い」という誤解: 空港周辺の空域規制は機体の重量にかかわらず適用されます(100g未満の機体を含む特定飛行のルールとは別枠の規制です)
  • 「以前確認したから今回も同じ」という誤解: 制限表面は空港施設の変更や制度改正によって見直されることがあるため、飛行のたびに最新情報を確認するのが安全です
  • 「地図上のグレーゾーンなら申請不要」という誤解: 境界付近は判定を誤りやすいため、迷った場合はDIPSの窓口や空港設置管理者に直接確認することをおすすめします

これらの勘違いに共通するのは、「距離の目安」や「過去の記憶」だけを根拠に自己判断してしまう点です。空港周辺の空域規制は航空機の安全に直結するため、判断に迷う要素が一つでもあれば、面倒でも都度地図で確認する習慣をつけることが結果的に一番安全で確実な方法になります。100g未満でも空港周辺への飛行は禁止されます


DID地区の確認と合わせて行う

空港周辺の制限に該当しない場合でも、その場所がDID地区(人口集中地区)に該当していれば、別途許可・承認が必要になります。DID地区の具体的な調べ方は以下の記事で詳しく解説しています。

DID地区の調べ方|国土地理院とDIPSでの確認手順


まとめ: 飛ばす前に確認する3ステップ

  1. 目安の距離感をつかむ — 主要空港では約24km、その他の空港では約6km程度が目安ですが、あくまで参考値です
  2. 地図で個別に確認する — 地理院地図とDIPSの地図機能で、実際の飛行予定地が制限区域に該当するかを確認します
  3. 該当する場合は許可・承認を申請する — DIPS2.0から申請し、審査期間を見込んで余裕を持って手続きします

本記事の判定は目安であり、法的判断ではありません。 実際の飛行にあたっては、国土交通省・DIPS(ドローン情報基盤システム)・総務省の最新の公式情報を必ず確認してください。制度は改正される場合があります(本記事は2026-09-01時点の情報です)。

飛行許可の申請前にDID地区も確認

空港周辺の制限区域に該当しなくても、DID地区に該当すれば別途許可が必要です。あわせて確認しておきましょう。

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